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【感想・考察】iメンターが実在したら (漫画”iメンターすべては遺伝子に支配された”より)

最近読んだ漫画の中で一番面白いと思ったのが、

小出もと貴先生の「iメンター すべては遺伝子に支配された」です。

この作品本当に面白い・・・!

今後まさに起こりうるであろう設定と、先の読めない展開の中で描かれる人間ドラマ・・・!超良作です。

物語の中心として描かれる、暮らしの水先案内人「iメンター」

そんなiメンターが現実世界に実在したら、、、という仮定で起こりうることを考察してみようと思います。

漫画 iメンター すべては遺伝子に支配された あらすじ おさらい

iメンターは24時間365日、常に正しく道を照らします。“暮らしの水先案内人”に人生の決断を委ねよう--。 最新の遺伝子情報を基に、「iメンター」と呼ばれるタブレットが人間に的確なアドバイスをする近未来。 将来の夢は叶うのか、このひとは最良の結婚相手なのか。自分は、いつ死ぬのか。 iメンターは全て数字で、「正しい生き方」を教えてくれる。 本当に人間の幸せは「遺伝子」だけで決定されてしまうのか?  iメンターに管理された「理想郷」で、「正しい生き方」をデータと数字で突きつけられた人間たちの尊厳を問う。 『アイリウム』『サイコろまんちか』の小出もと貴が描く、SFオムニバス!

出典: ebookjapan.yahoo.co.jp

【感想・考察】もしも”iメンター”が実在したら(一部ネタバレあり)

iメンターがもし今後現実のものとなったと仮定して、その結果起こりうる事象について考察してみようと思います。

人類の進歩が加速する?進歩が止まる?

iメンターは、人生の不確実性をなくしてくれる存在です。

自分の適性を元に就職先も判断してくれます。

それぞれにとって最適な職に就き、ポテンシャルを最大限に発揮しながら仕事を進めることができれば、人類はより一層進化を進めるかもしれません。

ただ、一方こういった考え方もできます。

従来イノベーションは、これまでの固定概念を打ち破る形で生まれてきました。

既存のレールから外れた発想が生まれたとき、人類は大きな進化を遂げてきました。iメンターが普及することで、良くも悪くも不確実性が避けられることになります。

予想された未来を予想通りにこなすこと。無駄な努力はしない。

目的地まで最短経路で進む。

果たしてこの仕組みの中で、イノベーションが生み出されるのでしょうか?

治安が良くなる?悪化する?

iメンターが生活必需品で基本的に全国民が持っているとした場合、ある意味行動が監視されているとも言えます。

もちろん基本的なプライバシーは確保されている前提ですが、犯罪行為を察知した場合、即座に通報できるようにする、などの仕組みを作ることもできるかもしれません。

特に犯罪歴がある人などは注意深く観察し、犯罪を防ぐこともできるでしょう。

また犯罪遺伝子を見抜き、未来の犯罪を未然に防ぐ。

そんな仕組みもiメンターはすでに確立しています。

一見治安の大幅な向上に貢献しているようにも思えますが、注意すべきなのが、どうしても人が介在せざるを得ない点です。

iメンターの運用自体を行うのが人であり、善悪の判断をするのも人である以上、そこには感情が発生し、その結果として誤りも発生します。

極端なことを言えば、運用する側が、「こいつむかつく・・・」と思って犯罪者認定してしまえば、犯罪者になってしまうわけです。(もちろん運用側もiメンターに選ばれた人材が行うわけですが、そもそもiメンターを作ったのも人間ですので、誤りが存在し得ます)

そんな不完全なシステムに依存する以上、どこかで綻びが出てしまうのではないか・・・とも思います。

iメンターから望んだ人生を与えられなかった人達が暴徒化する、そんなリスクもあるかもしれません。

結婚率は高まる?下がる?

恋愛や結婚についてはプラスの側面が多い気がします。

人の生物的な本能に近い部分については、より遺伝子が重要な役割を占めるのではないでしょうか。

遺伝子が遠い人の匂いを本能的に好む、なども言いますしね。

まさに、iメンターが一番パワーを発揮する場所でもある気がします。

いわゆる不一致が減って、結婚率は上昇し、離婚率も大幅に減少するでしょう。

iメンターを元に初めて付き合った人と結婚する、そんなパターンも多くなるかもしれませんね。

ただ、こちらも気になるのが人が運用に介在している点でしょうか・・・。

完全に遺伝子情報に忠実な形で、情報提供がされれば、大きな特に恋愛・結婚面についてはかなりメリットはある気がしますが・・・。

iメンターのある世界で生活したいか 筆者の意見

個人的に、iメンターのある世界に住みたいかどうかという点でいくと・・・

Noですね。

人生はある意味”不確実性”が面白い部分だと思っています。

もちろんiメンターが普及することで、個々人が確実でよりよい未来が手に入れられる可能性は高まるのかもしれません。

努力したけど夢がかなわなかった、無駄な頑張りだった、そんなことも少なくなるかもしれません。

その一方で、不確実で先が読めない、でもだからこそワクワクしたそんな人生も手放すことになるのです。

生まれたときからレールが決まっている人生、それこそ生まれたときの身分で、自分の将来が決定づけられていた、旧時代的な生き方にある意味遡ることになるのです。

自分の頭で、足で、不確実な未来に向けて一歩一歩進んでいく。そんな人生を送っていきたいなと思います。

あとやはり何より、人の手が中途半端に入っているのが怖いですよね。

そこに自分の人生をすべてゆだねてしまう恐怖感はあります。

iメンターに依存すれば依存するほど、そこに関わる人たちは簡単に人の人生を変えることができてしまうわけです。

皆さんはiメンターがある生活にあこがれますか?

小出もと貴先生の他作品はこちら

・サイコろまんちか

・AKATSUKI-朱憑-

・アイリウム

など面白い作品がたくさんなので、是非無料試し読みだけでも良いので、作品に触れてみてくださいね!

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